夏の衣服(肌着)

 女房は常日頃から私の着るものは一切買ってくれない。
 しかたなく、ソックスから下着上着まで全て自分で買う。いつからそう言った習慣になったのか解らないが。
 この猛暑、酷暑に至っては夏の衣服は大変大事な要素の一つである。それは特に肌着である。長く卓球をやっていたせいか夏物といえば練習着を着ておれば問題ないと思っていた。スポーツメーカーの練習着では吸湿性が悪く、外出以外は着なくなった。
 風呂上りにランニングシャツを着てパジャマの上は身につけず寝る。起床後もずっと同じものを着ている。理由は肌触りが良いからである。その製品の材料は綿65%ポリエステル35%と明示してある。
 今まで何を着ても素材に拘ったことはないが、暑さの性でそこまで気にかけるようになった。女性は素材の知識が深いのかもしれないが男はそこまで気がまわらない。
 着心地が良いから短パンをはいて肌着のまま家の周りをうろうろしている。もう恥や外聞は気にならない、他人の迷惑も気にしない年齢に達している。
 私の幼少期の昭和30年代の夏のオッサンやおじさん達はランニングシャツにステテコ、ラクダ色の腹巻に下駄が標準スタイルで町中を出回る。右手にうちわ、左手にタバコを持ってバンコ上の縁台将棋を観戦するのが夏の夜の風物詩であった。
 それはまさしく天才バガボンのパパスタイルなのである。おそらくこの頃のランニングシャツの素材も綿65%ポリエステルであったのではないか?