ふてぶてしさを満面に表し連日上位陣を土俵に沈めるのが小結貴景勝である。
一方はつらつとした相撲態度で一気に相手を土俵の外に押し出すのが阿武咲である。 共に当年22歳の若武者で角界の近い将来を必ず背負って立つ有望な2人である。
最近は横綱陣の休場や大関陣のふがいない戦績くらいが話題となる場所であるが、この二人の力士の取り口には拍手を送りたくなる。
両者はひとたび土俵に上がると先輩も兄弟子も関係ないと言うほど相撲に集中する強さを見せている。この二人は全く異なるキャラを持ちながら親友でしかもお互いをライバルと認め合う仲だとも言われている。
以前から二人の経歴を並べて比較してみたいと思っていた。
所属部屋 年齢 身長 体重 初土俵 入幕 出身
貴景勝 千賀の浦 22歳 175㎝ 170㎏ 2014.9月 2017.1月 兵庫県
阿武咲 阿武松 22歳 176㎝ 163㎏ 2013.1月 2017.5月 青森県
お互いに短躯肥満タイプの体を持ち押し相撲に徹する相撲ながら、貴景勝は相手が横綱であろうがひるむことなく張り手をかまし断続的にぶちかましタイミング良くいなし相手を土俵に沈める。そうかと思えば一気に土俵に押し切る。左からのいなしと言うか突き押しは強烈で横綱稀勢の里などこれで土俵を這いつくばった。貴景勝はクレバーな相撲取りである。
阿武咲は鋭い立ち合いから一気に土俵に追い詰めるスピードと力強さが売り物である。両者ともに天性の腰の低さと足腰の柔軟なバネを有しており簡単に土俵際に追い詰めることが難しい。
貴景勝は今場所優勝でもすれば年内の大関昇進もありえない話ではない。
思い切りの悪い横綱に早くとって代わり相撲界に新しい風を吹かしてもらいたいものである。