横着者とコーヒー

 今から約20年前スペインに住んでいた頃の話です。およそ6年間住みました。就職がなかなか決まらない時バルでコヒーとは(言わない)カフェをよく飲んでいた。

 スペインの習慣として朝食はパンとコーヒをとります。この時のコーヒーはカフェ コン・レチェとクロワッサンか菓子パンを食べます。殆ど立って。カフェ・コン・レチェは大きなカップにコーヒーと牛乳が出てきて好きなように調整して飲みます。おそらく牛乳の方が多くコーヒーはわずかだった気がします。

 バルは昼食時奥でテーブルに座って食事をしますが、ほとんど店のカウンターに立ってピンチョを一つか二つ頼みます。金額200円か300円だったかな?

 昼は食事を一つの皿か2皿を頼みコーヒは日本と同じ大きさのカップで食後にのみます。

 夜は多く食事をとりますのでコーヒはデザートの後にカフェ・ソロと言って昼間の半分位の大きさのコーヒーが出てきます。

 以上がバルで飲むコーヒーですが、家庭ではインスタント コーヒーを飲んでいました。サイホンを利用するとか色々方法はありますが最も手間のかからないインスタント・コーヒーにします。バルやカフェではエスプレッソと言う大きな機械で蒸気を用いたコーヒーを飲みます。バルやカフェはたいがいこの機械を持っていてシャーと言う大きな音をだしてドリップします。
 今頃3way方式の小型コヒーメーカを売り出しています。3000円程度です。コーヒーの豆を入れ炒って豆を粉砕し湯を入れるまで自動なのかな。
 友人にコーヒー好きなのがいてコーヒー学を学びに広島まで通ったのがいる。
 豆を買ってフライパンで炒ってミル機械で砕き湯を入れる。私にとっては随分めんどくさい話であるが豆を煎りミルで豆を挽く時の香りの良さは最高でめんどくさいなんて言えない。朝食のコーヒは夫の役目で妻は絶対に手出しをしないらしい。それは夫の楽しみを奪うことになるからだそうだ。

 私は絵を描く時にコーヒを飲んではタバコを吸いながら絵を眺めるのが最高の楽しみ。今はタバコをやめたから少し感じが異なるがコーヒタイムは必ず設ける。豆を炒めるとかは時間の無駄である。
 大昔車で通勤していた時代新幹線の高架橋の下でUCCの店がコーヒを作る時のたまらない香りを車中でよく味わったことがあるがその店は移転したため今では思い出にしかありえない。

 豆からでもインスタントでもコーヒを飲むのは一服する時間的に余裕を与えてくれる。残念ながら最近喫茶店の閉店が多い。個展などで随分店を使わせてもらったのに。

 私の住む街ではスターバックスが存在しない。スペインのサンセバスチャンでもないのでは。コーヒーを飲む小さな店を守る習慣があるから。もう一度コーヒを飲みに行ってみたいサンセバスチャンのカフェ。