阿部一二三選手に思う

 グランドスラム大阪大会の66㎏級で丸山城志郎選手に勝った阿部一二三選手におめでとうと言いたいところだが勝利後のガッツポーズの他勝ち誇った態度には共感が持てない。
 妹の詩選手もオリンピックで兄妹が金メダルをとって世界に「どうだ」と認めさせたい。と記者会見で豪語しているのを見て少なからずがっかりさせられた。

 我々一般の観衆には理解したい努力と猛練習の成果なのであろうが勝者の敗者に対するいたわりが感じられない。
 21歳と19歳と若さと未熟さがそうさせるのかも知れないが、日本で生まれ日本で育まれた柔道本来の精神に欠けるのではないだろうか?トップ選手だからこそそう言いたいのである。

 今の世の中では勝てば何をしても良い風潮が漂うなか日本の伝統的な武道の精神を忘れられていることに失望を覚える。
 プロ野球でもホームランを打った打者はダイヤモンド1周する間はガッツポーズをしない選手もいると聞く。それは相手投手に敬意を表するためである。
 勝者がいれば必ず敗者がいる。

 阿部兄妹はまだ若い(21歳、19歳)上にマスコミに載せられて兄弟金メダルの話題性に騒がれ彼らこそが被害者なのかもしれない。

 精神的にまだまだ成長過程にある2人は日本をあるいは世界を代表する身心たることを忘れてはなるまい。剣道ではそう姿は見られない。偉そうな事を言って申し訳ないが。