アメリカ・フロリダ半島”謎の黒い竜”

 今朝のNHK BS放送ワイルドライフを見た。
 フロリダ半島の先端のシンガーアイランドに向けて黒い魚の大群が押し寄せまた内陸部の川からも多くの魚が南下して合流する。この大群は海岸の浅瀬を移動する。これはボラの大群集で100万匹と放送されていた。
 この大群を”黒い竜””と呼ぶ。何故大群を組むのかの意味は天敵「ペリカン、ミサゴ、サメ、肉食あじ、2.5mのタイセイヨウ・イケゴイ(ターポン)」から身を守るためらしい。
 この現象が見られるようになったのは2014年からで以前にはなかった。
 ボラは畑の肥料や魚のえさとして利用され乱獲が続きこれを禁止した保護活動が行われはじめた頃から海岸浅瀬に真っ黒い大群の活動が見られるようになった。
 天敵の攻撃から逃れたボラの大群は数キロ沖の海中に姿を消しおそらく産卵するのであろう。やがて10㎝程度の稚魚は再びシンガーアイランドの河口にやってきて4年程過ごしながら成長する。ボラは汽水域(海水と真水の混ぜる域)で塩分を調節できる機能を備えている魚である。
 そして再び海岸沿いを猛烈な数の大群を作り同じサイクルを繰り返す生態系を持っているらしい。

 では何故フロリダ半島沖の海岸浅瀬で群れをなすのか?
 養分が豊富なメキシコ湾流の流れのルートに近いことだと言っている。
メキシコ湾流のおかげで高緯度のイギリスに人が住める理由にもなっている。

 ボラは世界中、日本でもスペインでも汚いものを食べる魚として蔑まれている。
 ボラは養分の高い生活排水の多い河口近くに存在するが人間の知恵できれいな海水近くに住める魚として育成すれば食糧難の解決にもなるのでは?