スペイン語でハゲはカルボと言う。
英語は知らないが辞書を引くとバルドと言うらしい。
私は父親を見てきたせいか齢をとっても絶対にハゲにはならないという自信があった。
父親は67歳で亡くなったが頭髪は黒々と多量にあった。
ところが10数年前ごろだったか理容院で髪が多いので空いてください、と頼むと
「お客さん空くどころの髪はありません」と断られた。
笑い話にもならない。
その理由は私のハゲは後頭部から始まっていて前側からは見えない。
都合のよいハゲなのである。
ハゲの多くは先頭部から始まるから本人は毎日認識を新たにする。
どちらが好都合なのかは解らない。
それで1年中帽子をかぶっている。
真夏など帽子をかぶらないとめまいがするくらいダメージが大きい。
若い人達はあまり帽子をかぶらないのは髪が多いからだろうかそれともファッションなのだろうか?
昔の侍は兜をかぶるためか月代(さかやき)という前頭部の髪をそり落とす習性があった。それなら先頭部からハゲル方が良いのかもしれないが。
私以外にもハゲで悩む人は多く、養毛材や整髪料がコマーシャルを賑わしている。自分も色々と試してみたが遅すぎたせいか何の変化もなくいつしか止めてしまう。
ハゲは高齢者の証であり仕方ないことである。
人はハゲとは別に表情に自信を持った生き方をする方がどれほど周りを明るくしたり活気が持てるのだろうか。失ったものは仕方ない。それよりももっと前向きに生きようと思うと後頭部のハゲの方が幸せに思える。