イギリス労働党は何をしたいのか (大きい女の子のブラウスなのか)

イギリスのEU離脱にからみ議会が混乱を起こしている。

与党の保守党も野党の労働党過半数議席を持たない勢力分布が原因である。
与党の前メイ首相がEUとの間で離脱協定案にこぎつけたのにイギリス議会で反対されもとの黙阿弥になってしまった。与党を引き継いだジョンソン首相は合意なき離脱を声高に訴え期限の10月末までに長期間・議会閉会を行うと宣言したが議会の反対を受け与党の思惑は外れた。野党の労働党は合意なき離脱に反対し離脱延期を図ろうとしているが何の目的かはっきり見えてこない。両者とも2回目の国民投票は行わないとも言われている。

 
 苛立つジョンソン首相は野党党首に対し下記でヤジったとネットで騒がれている。
 ボリス・ジョンソン英首相は4日、下院審議中に最大野党・労働党のジェレミー・コービン党首を「you great big girl's blouse(このすごく大きい女の子のブラウスめ)」と野次った。それを受けて5日朝には、コービン氏の自宅を訪れ、ピンクの花柄のブラウスを進呈しようとした記者がいた。
 しかしそもそも、「大きい女の子のブラウス」とは何なのか。なぜそれが罵倒表現なのか。そして、女性蔑視の表現だという批判は当たっているのか。
俗語表現を解説する「アーバン・ディクショナリー」によると、「big girl's blouse」とは、やたら文句ばかり口にする「ひ弱で男らしさに欠ける弱々しい男」を意味する。
ツイッターではジョンソン首相に対して、「時代遅れ」の表現を使った、「女性蔑視の間抜け」などの批判が飛び交った。「性別を題材にした虚勢を張り、政治論争を矮小(わいしょう)化した」という批判もあった。
 

 前メイ首相はEUと離脱協定案をまとめたが国内の議会承認を拒否されて辞任に追いこまれた。
 メイ首相の後をついだジョンソン首相は合意なき離脱のため期限の10月末まで議会を閉会すると言い猛反発を受けている。おそらくその時に出てきた言葉が「大きいブラウスの女の子」なのであろう。
 最新情報では離脱延期法案が認めらたと報じられている。

 離脱までには北アイルランド問題など大きな問題が山積している。
 北アイルランド問題とはイギリスの大ブリテン島の西隣にあるアイルランド島の北部の北アイルランドである。アイルランドカトリック教徒で北アイルランドはイギリス領でプロテスタントである。この両者は長きに渡り紛争を起こしていたがEUに併合されて国境が廃止されやっと落ち着きを見せてきた。
 ところがアイルランドはEU残留で北アイルランドはEU離脱をする。今までなかった国境・関税の問題等大きな問題が再来している。合意なき離脱派はなりゆきにまかせて解決すると言っている。住がアイルランドで職が北アイルランドの人達も随分いるらしい。

 イギリスのEU離脱は難民問題を中心に2016年6月に国民投票でイギリス人の意志で決定された案件である。難民問題は最近ニュースで大題的に報道されなくなった。
 イギリスに進出した日系企業は1000社に及ぶと言われているがEUで生産される部品がイギリスに入ると関税がかかる問題など多くの障害が出ることも事実である。
 イギリス議会労働党の考えが離脱の条件を支配しているとも思えるが日本人には与党・野党の権力争いをしているとしか映らない。