母親には勝てない

 先週の金曜日から遅れ盆で帰省していた長男が今日千葉へ向けて帰った。
 正直言ってやれやれの気持ちである。孫や嫁がいたらそんなものではすまないと思うが正直な気持ちである。

 かれこれ1年ぶりの帰省なのか自分の天下のように振舞って料理から何まで注文をする。久しぶりの我家なので妻はそれらを心得たようにサービスで応えて行く。嫁のいない気やすさからか妻は何でもかなえてやる。
 常日ごろ面倒を見てやれない罪悪感からそうなるのか、自分の若い頃には母親にそんな無茶を言ったことはない。あの頃は全てが貧しかったような気がしてむしろこちらが気を使ったことを思い出す。

 妻がいなかったら私はそんな事は出来ない。
 酒を買ってくることがせいぜいであろう。
 毎回酒を買うが値段には一向におかまいなしである。今年は麦焼酎”兼八”で1升ビンで8千円これも妻の払いである。たまには土産ぐらい買って帰ればと思うが口にすると後で妻から小言をもらうのは私である。
 長男が帰った後やれやれと言う気と一種の静寂が戻った。だらしのない親父で母親には絶対勝てない。自分で産んだ子供だからそう出来るのだろうか?