NHK仕事の流儀 内科医天野恵子医師

 昨日のNHKプロフェショナルで女性を専門に診療する「女性外来」のパイオニア・天野恵子医師(76歳)を取り上げていた。胸の痛みに悩む更年期女性特有の微小血管狭心症を発見し患者を救ったことなど、男性医師には解らない女性特有の性差診療を行っている。

 我が国の「異常が発見できず治療方法が解らない」絶望の中にいる女性達を救っている。千葉市内にある病院だと思うが全国から患者が訪れて医師の診断・治療をあおいでいる。すべて予約制で患者本人が自分の病状を書きもので送付することから診察は始まる。初診の問診には患者の申告を残らずメモするやり方である。病気は患者が一番よく知っているのであり医療関係者はそれを知ることから治療が始まる。問診には小1時間かけようが一向に気にしない。この方法は天野医師だけではない。私の知る限り良い病院・良い医師とは全てこの方法をとる。
 今の一般的な病院では1時間待って3分の診察で終わるのが当たり前の世の中である。

 女性外来の中に原因不明の「慢性疲労症候群」のまだ世の中に認知されない患者が多くいる。働き盛りの40代の女性や10代の若い女性など発症が9歳からとその患者の容態はさまざまである。症状は疲れて動けなくなる病気らしい。
 天野医師は脳の血流との関係に気が付き脳内MRIで血流と症状の関係を調査していると伝えていた。この病は早く発見されれば治癒も早いと言われている。

 彼女は東大医学部卒で大学病院で働いていたらしが若い男性医師を教育してきたのに彼女を抜いて準教授になる不合理を感じてそこを辞め女性外来を始めたらしい。
 医学部入試で女性を冷遇した大学の事情が伺える。

 天野医師76歳は自分のやる事が明確である。人間として生を全うする人生感がうらやましく感じられる。