スペイン猫事情

 スペインに住んでいた頃猫を飼っているお宅に居候していた時の話。
 敷地1500坪の大きな別荘地で建屋300坪の別荘に2か月ほど住んでいた。
 屋敷内にはキュウイやリンゴの果樹園と芝生が広大な庭を構成していた。別荘はペンションとしても利用され、当時60歳の女主人と犬2匹、猫3匹が住んでいた。

 私の部屋は日当たりの良い南向きでベランダからは手が届きそうな木々が繁る環境が優れた2階の8畳ほどの部屋であった。私が初めて部屋に入った時、ベッドには真っ黒い猫ニーナが居座っていた。なかなか人懐っこい猫で部屋から追い出すのに苦労した事がある。
 この家には他に年老いて病上がりの猫とニーナより少し若い猫がいた。食事時は若い猫が我先に食べるので他を抑えて年寄りを優先させていた。

 家が広いので日中猫はどうしているのか解らないが年老いた猫はソファーの上で1日中寝ていたのを思い出す。

 ニーナは鳥を取る。
 広いサロンの前に高さ1m程の生垣が植えられ、その外側に種類不明の木立3mの木が茂り多数の鳥が来てはさえずるノンビリした日常生活であった。
 ある日ニーナは生垣の影に隠れ鳥の一瞬のスキをねらって木に登り鳥を捕獲する瞬間を見た。家庭で飼われる猫もやはり野生の猫と同じだと感じた。

 猫は家庭内でも順列があるらしく家の主人の言う事は絶対に聞かないが、奥様の命令には絶対服従するらしい。犬と異なり猫は家からあまり出歩く事をせずソファーをベッド代わりに1日中寝ているので太った猫が多い。

 

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