巨人日本一になれず

日本S・屈辱4連敗で終戦の巨人、「乱獲」の限界(一部ネットから抜粋)
 シリーズ3戦目、4戦目には1昨年のドラフト1位、シリーズ4戦目には昨年のドラフト1位投手が先発して失敗した。はじめの感想は巨人はよほど良い投手を引き当てたものだと思ったが、実際は中堅投手の空洞化を露呈したにすぎない。

 セリーグ終了後原監督はいみじくも選手の育成はしない、今年上手く行ったように他球団からとってくれば良いと語ったとされた。

 しかし日本シリーズを屈辱の4連敗で終えたジャイアンツの原辰徳監督には厳しい現実を突きつけられた。原監督が解っているかは疑問であるが?巨人は日本シリーズで1勝もできず4連敗を喫したのも球団史上、29年ぶりの屈辱だ。

■ 「リーグ優勝の立役者」の丸にもバッシング

 この日本シリーズ4戦を振り返っても巨人の試合内容は余りにも淡白で寂し過ぎるものだった。守備の乱れなど細かいミスから傷口を広げ、つまらない失点も重ねた。レギュラーシーズン優勝の原動力となっていた坂本勇人内野手丸佳浩外野手が日本シリーズで大ブレーキになると、自慢の攻撃力も一気に機能不全に陥って得点を奪えなくなった。

 丸を含め「総額60億円」ともささやかれた超大型補強を昨オフに強行したものの、巨人は日本一奪回を果たせなかった。しかも日本シリーズで1つの白星も奪えずに幕を閉じてしまったことで、多くの野球ファンの間からは「セ・リーグの恥さらし」といった批判や「今年で日本一3連覇を果たしたホークスには日本シリーズで2018年に対戦したカープ、2017年に戦った横浜DeNAベイスターズのほうがジャイアンツよりもよっぽど健闘していた」という厳しい指摘が飛び交っている。SNS上のコメントを見ても、それは一目瞭然だ。

■ セのライバルチームの主力引き抜きで、リーグ全体のレベル低下も

 こうした空気を当然、巨人側も感じているようだ。試合後に山口寿一オーナーがメディア向けに「これでいいという訳にはいかない」「球団全体として、いろいろ足りないところはある」などとコメントしたことからも察せられるように、今オフも戦力補強に動く流れは間違いないだろう。しかし、また十八番の巨大補強で本当に強いジャイアンツは成り立つのだろうか。個人的には、やや疑問を拭えない。

 昨オフに国内FA権を行使して巨人入りした丸は2017年、2018年と2年連続のセ・リーグMVP。さらに一昨年オフ、中日ドラゴンズから移籍してきたアレックス・ゲレーロは2017年の本塁打王である。2016年オフにベイスターズからFA権行使で加入した山口俊は同年にこの時点でのキャリアハイとなる11勝をマークし、チームの大黒柱として初のCS進出にも大きく貢献した「右のエース」だった。ここまでエース、本塁打王、MVPと3年連続でセのライバルチームから中心選手を次々と〝強奪〟しているチーム編成に対しては賛否両論が渦巻いている。

 「チームを強くするためであることはもちろんだが、相手球団の戦力をそぎ落とすことも目的としてある」

 かつて丸の補強に動いた理由について球団関係者から「大きな声では言えないが」と注釈付きながら、こういう言葉を耳にしたことがあった。無論、ルールとしては何も間違ってはいない。お金に余裕がある巨人のような球団ならば、FA市場に出てきた大物の獲得に動くのは至極当然のことだ。その選手が補強ポイントに見合うだけでなく、今まで所属していた相手チームの戦力ダウンにつながるのだから一石二鳥である。実際、今年の巨人は丸の加入によってレギュラーシーズン3連覇中だった広島の大幅な戦力ダウンに成功し、逆に相手の中心選手の〝強奪〟によってチーム力を引き上げ、5年ぶりのリーグV奪回を果たした。

 前出の山口も今季は最多勝最多奪三振、最高勝率と個人タイトルで三冠王に輝き、ゲレーロはレギュラーシーズン終盤とCSで持ち味を存分に発揮。セのライバルチームから〝強奪〟した3選手は確かに全員がチームの日本シリーズ進出に大きく貢献した。

 巨人あるいは原監督は大きな間違いをしていないか、1強5弱と言われたひと昔ならいざしらずプロ野球放送をみたければ日本全国津々浦々放送電波がながれファン層も全国均一となり、ましてや子供や女性層にまで広がった現在アンチ巨人が増えプロ野球離れの現象がおきてもおかしくない。そのうちスタメンは全て元どこどこ出身と笑えないことが起きるかもしれない。この日本シリーズでいぶし銀の活躍を果たしたのは巨人生え抜きの亀井選手だった。

 金がある球団ならドラフトで金の卵を発掘するシステムや練習設備、優秀なコーチ陣のスカウトなど幾らでもあるはずだ。育成してこそ亀井選手のような巨人愛が生じるのでは?