ガラケーで目覚ましをかける

 私はスマホをいぜんとして持たない。
 最近では高齢者の多くがスマホを持ち歩く姿を見かける。スマホを持ち歩くのはある種のステータス感覚かも知れない。つい最近女房もスマホに切り替えたばかりである。友達が皆スマホを持っているからも理由の一つだろう。まるで中学生並みの発想に思える。(中学生には悪いが)
 私がスマホを持たない理由はガラケーに比べ費用が高くつくこと。せっかく高機能な器械を持ち合わせても使いこなしが充分出来ないからである。携帯電話はせいぜい電話とSMSくらいでしか使わない。それなら基本料金の高いスマホには用がない。
 今回東京近辺を旅行してみて地図アプリがあればもっと便利が良い筈と思えた。電車の乗り換え・運転ダイヤを知りうる上での利便性ははるかに良い。自分の持つガラケーでもその程度の機能はある。これをガラホーと呼ぶらしいが。高齢者にとってそこまでの必要性の有無とスキルが身につくかが問題である。
 もう一つ、家庭ではインターネットを使うため完全に2重の設備と思う。
 現役のサラリーマンが家庭の内外でネットによる情報をたよりに走り回るような緊急性はまったくない。

 最近家を出て他場所で働く次男が時々モーニングコールを依頼してくる。
 朝の6時半である。高齢者にとって結構微妙な時間帯で私は2回目の眠りの中にいることが多く、しかも女房が夜勤で留守の日は困る。
 それでガラケーで目覚ましセットを試みる。長くガラケーを使っているが初めての事である。何とかセットをしたが目覚ましアラームの開放の仕方が解らない。
 取説を取り出し理解した。さて朝がきた、どんなアラーム音でどの程度の強さか解らないため1時間程早く目覚めてガラケーのアラームを待った。
 落語に出てきそうな滑稽な話である。
 ガラケーと言えども100%に近い機能操作方法を知らなければスマホ等持つ意味はない。高齢者を取り込もうと携帯各社は簡単スマホとかシニア向けの宣伝をする。
 20数年前までガラケースマホ等のない良き時代には高価な通信費で生活を圧迫される事はなかった筈である。