NHK 仕事の流儀・発達障害の精神科医

 発達障害と言う病名を聞くがその実態をあまりよく知らない。
 昨夜のNHKプロフェッショナルで精神科医本田秀夫氏(55歳)の活動のほんの一部を垣間見た気がする。

 NHKの注釈を紹介すると
 “見えにくい障害”とも呼ばれる発達障害自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症学習障害など)。信州大学医学部附属病院精神科医・本田秀夫は、発達障害を専門にする日本屈指のスペシャリストで、乳幼児期から成人期まで長期にわたって診察を続けるという世界的にもまれな臨床経験を持つ。「“普通”とは何か?」「幸せに生きるとは?」そんな根源的な問いを胸に、自信を失った人々の生き方を肯定し、寄り添い続ける。
【出演】精神科医…本田秀夫,【語り】橋本さとし,貫地谷しほ
 新聞の紹介では15人に1人が発達障害患者とも疑われる現代社会においてそれを診る医師が不足しており、本田医師は80人の医師の育成・教育にあたっているらしい。
 同氏が言われることの一つには発達障害者は能力がデコボコで突出した能力を持ち合わせる人もいる。それに悩む過剰適応者を取材・放映していた。その一人女子高校生で絵が常人の描くものよりは遙かに秀である分野では受賞する経験を持ちながら次に落ち込む(死ぬることまで考える)。
 本田医師との長い診療の中で女子高校生が将来の自分を見つけようと努力している様には心打たれる。
 昔ペルー人夫婦に日本語を教えたことがある。夫は日本の工場で働くが妻は日本語が出来なくて外出には常に恐怖を感じる中で生まれた子供であり、アスペルガー症候群の疑いを持っていた。市のスタッフがホロー観察を実施中で、聞くところによると元気に公立小学校に通っているらしい。
 家庭に於いて発達障害の子供を持つ親には全く経験のない事態に困り果て頼るところが精神科医だろう。本田医師は東大医学部卒であるが精神科医の道しか選ばなかったとも言われている。何よりも豊かな経験と余裕を持った診察は患者の心の支えになることは確かである。