NHKの番組で見た合掌土偶と縄文文化

 氷河期が終わる約1万5千年前に縄文時代が始まる。

 弥生時代は今から2500年前に始まり600年~700年間続いた時代である。 縄文文化地球温暖化により落葉広葉樹の森が広がり種子の採取や土砂の堆積により魚介類が豊富に生育した地形や環境が形成され必要により土器や弓が登場しやがて村が出現しおよそ1万年の長きにわたり縄文文化は継続したと言われている。
 この頃の人類は男性157㎝女性147㎝の体格で虫歯が多く東日本に遺跡が多く発見されているらしい。
 これらの検証と裏付けは全て発掘された土器や土偶による考古学者の推論で論文化され我々一般人に紹介され、夢をたどるような話である。

 青森県八戸市の風張1遺跡で1989年に縄文時代後半に作られたとされる高さ19.8㎝幅14.2㎝奥行15.2㎝重さ1050gの合掌土偶が発掘された。これは現在国宝に指定されて八戸市埋蔵文化センター是川縄文館に展示されているとNHKが語っていた。
 この土偶は女性の座産の姿をあらわす土偶であり、女性の性器まで彫られてはいるが胸はほとんどなく生活の苦しさをあらわしているとも言われている。

 一方、近畿地方では石棒(男根を模した大型石器で祭祀形態として受容されていた)が多く採掘されている。
 女性につけ男性につけ種族繁栄が何よりも大事な時代であったのであろう。

 縄文人弥生人が共存した時代も遺跡として残っているが、弥生時代の稲作の耕地面積や水利をめぐり争いが絶えず、九州北部では多くの縄文人殺戮の骨類が残されている。こうして縄文人の農耕化や弥生人の占有化によって縄文時代文化は姿を消していったことだろう。
 縄文時代はおだやかで争いの少ない時代であったとも言われているが、これに対し弥生時代は争いが多くストレス社会の始まりらしい。

 弥生文化は大陸から伝わった稲作文化が基本となった最初の文化である。これは西日本から東北へ伝わって行ったとされている。
 それは考古学者にまかせるとして、我々の歴史は何百年前からなのか何千年前から連綿と生命を繋ぎ、地震・台風・戦や飢饉を乗り越えてきた尊い命である。いきなり昨日・昨年に生まれた命ではない。ひょっとすると祖先は皆親戚にあたるのかも知れない。

 昔から安全な国と言われた日本は西に東に殺し合いを繰り返し、今では安全どころかどうして身を守るかを第一に考えなくてはならない国に化している。